2015/6/1追記
Metaio社は2015年5月27日にホームページを更新。
その中で製品の提供中止についてアナウンスしている。
日本国内でmetaio製品を販売・サポートしていたサイバネットシステム株式会社が運営するmetaio製品に関する日本語情報交換フォーラムでもアナウンスがあった。
こちらの方が本家よりも情報が細かく分かりやすい。
(中の人も今大変だろうな…)
Apple社がMetaio社を買収したという話もあるが、今のところ今後のサポート含め詳細は不明。
Metaio製品を使ったARアプリ開発
Metaio社が用意してくれているAR(Augmented Reality、拡張現実)開発環境がいろいろあって開発時の選択肢が分かりづらいので、適時少しずつまとめていく予定。
開発方法
大まかに分けて、ARアプリを開発するためには2種類の選択肢がある。
それぞれの詳細は後述。
- Junaioアプリの利用 Metaio社が用意しているスマートフォン用ARブラウザアプリJunaioを通してARコンテンツを表示できる。Creatorを併用すればノンプログラマでもARコンテンツをリリースできる。比較的お手軽。
- MetaioSDKの利用 ARネイティブアプリ開発用の開発キット。開発したアプリはApp StoreやGoogle Playで配信できる。プログラミングのスキルが必要。
トラッキング方法
現実環境を検出(トラッキング)する方法としては2種類に分けられる。
- 光学トラッキング デバイスのカメラ映像を通してIDマーカーや写真・イメージ画像を認識、検出する。顔認識や3Dオブジェクトの検出もできるようになってきてる。
- 非光学トラッキング デバイスのもつGPSやコンパスなどのセンサーを使って位置情報を取得する。
Junaioアプリの利用
概要
スマートフォン用ARブラウザアプリ。
iOS(App Store), Android(Google play)用にアプリが用意されている。
お手軽にAR体験ができる。
HTML + JavascriptベースのAREL (Augmented Reality Experience Language) を使ってUI作成もできる。
チャンネル
ARコンテンツの関連情報(コンテンツ名称や説明、コンテンツサーバURLなど)をJunaioサーバにチャンネルとして登録しておく。
metaio Developer Portal にアカウント登録することでチャンネル作成ができるようになる。
チャンネルは、IDマーカーやイメージ画像などを光学トラッキングする Image based (GLUE) channel と、位置情報に基いて非光学トラッキングする Location based channel の2種類がある。
JunaioアプリはARコンテンツを表示するために、まず該当のチャンネル情報を取得(検索やQRコードから読み込み)してコンテンツURLを特定し、そこからコンテンツをダウンロードする。
チャンネル情報の取得からコンテンツダウンロードまでは自動で行なわれるので、ユーザーはQRコードのスキャン操作するだけでAR体験できるようになる。
メリット
- ARの基本機能(マーカー認識、コンテンツ描画)はアプリが行ってくれるので、コンテンツの作成に集中できる。
- Metaio製品の中では一番お手軽かつ安価にARアプリを作れる。
- Junaioアプリ自体は無料。
- iPhone, Androidのクロスプラットフォームで開発できる。
デメリット
- ARブラウザという性質上、他社のコンテンツも検索・表示できるため、自社コンテンツ専用アプリとしては使えない。
- チャンネルデータを取得するためにUI周り(検索、QRコード読み込み)などはカスタマイズできない。
- ARコンテンツを表示するために、まずチャンネルデータの読み込みを行う必要がある。そのためユーザー側からするとアプリを入手してすぐにARコンテンツを表示できないので、それらの工程を煩わしく感じる可能性がある。
- オフラインで使用できない。
MetaioSDK の利用
概要
iOS, Android, Windows向けのARネイティブアプリを開発するためのキット
メリット
- ARコンテンツデータをアプリ内に同梱できるので、オフラインで使用できるアプリを開発できる。
- 要件に合わせたアプリを開発できる。
- SDKを使って開発したアプリは無料で配信できる。
※ただしウォーターマーク、フラッシュスクリーンが表示される。 - ARELを使って開発すれば、コンテンツ部分についてはプラットフォーム間で共通化できる。
デメリット
- ARELを使って開発しない場合、要件上必要なプラットフォームごとにアプリを作らなければならない。
- ウォーターマーク、フラッシュスクリーンを消すためにはSDKライセンスを購入する必要がある。
- ネイティブアプリの開発、SDKライセンスの購入など、開発費が高額になりがち。
MetaioSDK + Cloud Plugin の利用
概要
MetaioSDKでネイティブアプリを開発し、コンテンツ配信はJunaioチャンネルを利用できる。
メリット
- サーバ上に設置したARコンテンツを取得する部分はCloud Pluginにお任せできる。(Junaioと同じ挙動)
- 無料で配信できる。
※ただしウォーターマークが表示される。
デメリット
- ウォーターマークを消すためにはMetaio Cloud(月額)を契約する必要がある。
- オンライン環境が必要。
参考
AR/VRソフトウェア(拡張現実・バーチャルリアリティソフトウェア):サイバネット